アンコール・トム遺跡の東側に位置するタ・プローム(Ta Prohm) 遺跡。
東西約1000m、南北約700mものラテライトの壁に囲まれた広大な敷地内にある。
当時は5000人あまりの僧侶と615人の踊り子が住んでいたと伝えられる。
タ・プロームとは「梵天の古老」という意味。
12世紀末にクメール人の王朝、アンコール朝の王で
あるジャヤバルマン七世が母のために仏教寺院とし
て建立。
後にヒンドゥー教寺院に改修されたと考えられてい
る遺跡。
創建されてからも建物の増築が続けられたとみられ
周壁の内部は迷路のように入り組んでいる。
タ・プローム遺跡ではおもに砂岩が建築材料として
利用されているが周壁や住居建築にはラテライトが
用いられている。
現在、このタ・プローム遺跡もベンメリアと同様に
熱帯樹による問題に悩まされている。
あまりの酷さに政府はタ・プロームの修復計画を発
表。しかし議論が沸き起こっている。
巨大な樹木は遺跡を破壊しているのか、それともい
まや遺跡を支えているのかという議論である。
しかし、タ・プロームから巨木を切り払い、崩れて
いる石材を元に戻した場合、この遺跡の魅力はなく
なってしまうのではないかとも考えられる。
2009年11月現在、この遺跡の修復方針をめぐって、
ユネスコを中心とした活発な議論が継続中である。